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4000キロを超えて  | アメリカ移住
あれは私がまだ17歳の頃の事、母親とウイーンからイタリアへ向かう飛行機に乗ったの。

母と私は通路を隔てて座り、私は三つ並んだシートの通路側の端だったわ。

そこへ、座って乗客が全て乗り込むまでの時間を少しイライラしながら過ごしていると、突然通路に今まで見た事も無い美しい女性が立っていた。黒く柔らかい素材のドレスを来ていて、エレガントな帽子を浅めにかぶったその女性のスカートの裾が、風もないのにヒラヒラと揺れていのに見入った後、彼女の青く透き通る目を盗み見ようと必死だった。

ああ、あの女性が私の隣に座ってくれたらいいのに・・・・

そしたら彼女、私の目の前で止まって、『エクスキューズミー』って、私の足下を通り抜けて窓際の席へ。

彼女の後を突いて来た男性がわたしの間となりに、

どうやら、その女性の旦那様のようでした。

彼女が隣に座らなかった事を残念に思っていた私は、それでも彼女に興味津々で。。。

『いったい彼女はチキンをオーダーするのかな? それともミートかしら?』

なんて考えていると、私と同じチキンをオーダーした偶然にちょっと喜んでみたりして・・・・

もう一度心の中で、『ああ、あの女性に隣に座ってほしい。』

しばらくしてトイレに立ち去った彼女がまた席に着く頃には、男性が窓際に座って私の隣に彼女がすわったの。

彼女に軽く会釈をすると彼女はその美しい瞳を私の方へまっすぐ向けて、美しい旋律で話し始めたの。。。

何をはなしたのかしら? 美しい音楽のような彼女の話は、ただ、ただ、私の耳の中に旋律を響かせながら、美しい夢のような時間が続いたわ。

私はそれまで私と同じ女性にそんな気持ちを持った事なんて無かった。

私には彼がいたし、私自信その時の彼女に対する感情に戸惑っていたの。

しばらくして映画を見始めた私たちは、まるでその映画のストーリーラインなんて頭の中に入ってこないようだったわ。ずーっと彼女が握り返してくる手の感触に心を捕われて、思考が全く働かない様子だった。

イタリアに到着した私たちは、彼女の勧めで一緒に食事をする事にしたの。

私たちはまるで周囲に誰もいないみたいに二人きりの世界を作り上げて話し続けたわ。

そして、彼女がこう言ったの。

『私たちウイーンへ帰る飛行機にも一緒に乗りましょうよ』って。


帰りの飛行機の機中で、

私が音楽を聞いていた時、彼女もヘッドホンをしていたから、彼女いったいどのチャンネルを聞いてるのか知りたくなってね。それでチャンネルのデジタル表示を盗み見ると、私とおんなじチャンネル3だった。

それで私がチャンネル1にスイッチすると、まさか? と思って彼女のチャンネルを見ると ”1” と表示されていた。5に変えると ”5”。

『もうこれは偶然じゃないわ!』

ウイーンに帰って来た私たちは、後日会食をする約束をして、再会したの。

彼女は子供達を旦那さんに預けて、私たちを二人きりにするように促したの。

それから、彼女は私の手を握ったまま、私の瞳を見つめ続けた。彼女の声は頭の中でフルートの音色のようだったわ。

その後私と母はアメリカへ帰って来たの。

16年間。。。。。。

欠かさずおはよう、お休みなさい。。。。って メールで話し続けた。

時には私のボーイフレンドの話や、ガールフレンドの話もした。

長い年月を経て、私は自分がバイセクシャルだと言う事をとっくの昔に気づいていたの。

解らないの、彼女はあくまでも彼女の旦那さん以外と関係を持った事が無いし、彼女が私と肉体的な関係を持つ事も考えられないというの。

だったら、なぜ? 彼女は私にあんなに美しい、愛の言葉を投げかけてくるのかしら?

解らないの・・・・・彼女の旦那様は、『彼と彼女の間に私の存在が欠かせない』って言ってるって。

彼女は私にウイーンで暮らすように勧めるのだけれど、

私は『その先はどうなるの?』って、疑問を投げかけずにはいられないのよ。

4000キロもはなれた遠隔の地から彼女が送り続けるメッセージは、いったい私の人生の中でどのような意味を持っているのでしょう?

添い遂げる可能性が無いなら、ここアメリカで好きな人を見つけて一緒になった方がよっぽどいいって風にも思うのよ。

『もし、ここで誰かを見つけて結婚するとしたら、それは男性なのかい? それとも女性なの?』

それは解らないわ?

『じゃあ、子供を産みたいって思ってる?』

ええ、もちろんよ、私にもその願望はあるわ。

でも、それだけの事ならいろいろな方法があるでしょう?

大切な事は、私が誰か一生涯をともに過ごしても良いという人を見つけるって言う事。

それが何よりも大切な事なの。 だって、私は男性にも女性にも魅力を感じる事ができるんだから。。。。。

『もっと人間性そのものなのかな? 君にとっては。』

そうかもね。。。。。



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テーマ=アメリカ生活 - ジャンル=海外情報

【2013/04/25 11:49】   トラックバック(0) | コメント(0) | Top↑






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