Top | RSS | Admin
スポンサーサイト  | スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
------------------------------------------------------------
【--/--/-- --:--】   | Top↑






ボートピープル漂流記  | アメリカ移住
nanmin2.jpg


今日は職場の同僚のお父さんが亡くなったのでViewing (←日本で言うお通夜)へ行ってまいりました。


故人がまだ元気だった頃の写真が、スライドショーで映し出されていた。

一枚、また一枚と移民直後から現在にいたるまでの家族の幸せそうな写真を眺めていると、思わず隣に座っていた20代のベトナム人男性に、こう話しかけたくなった。



『アメリカは貧富の差は激しいけど、やっぱりいい国だよね。 だって、なんだかんだ言って家族が何の不安も無くこうして幸せに暮らしていられるんだから。』


すると彼は大きくうなずき話し始めました。

僕らベトナム人達はね、命からがら母国から逃げ出して来たんだよ。

南側が北側に敗北。 社会主義国家として統一をされた1976年以降、南側を支援していた人々の未来は閉ざされてしまったんだ。


俺の親父も南側の軍隊の大佐だったものだから、即座に新政権によって投獄されたんだ。

それから6年後・・・・・・

新政権はカンボジア進攻を失敗、財政難に陥った。

そんなおり、俺の親父は投獄生活から釈放されたんだ。


学校の教師をしていた母親とまだ生まれて間もない俺はね、父親の決意に従い亡命をする事になった。


と、言っても飛行機でビューンじゃないぜ


本当に数人しか乗れないような小さなボートで太平洋へ漕ぎ出そうっていうんだ。 漕ぎ出せば即座に難破船みたいに、木の端切れにぶら下がって漂っているのとあまりかわりゃしない。

しかも国の管轄海里の中で政府軍に見つかってしまったら、銃撃を受けて、多くのボートピープルが出国する事無く命を落とすんだ。


太平洋に出たら出たで、ろくな動力も持たない小船だろう、流れにまかせ漂うだけさ。

気が遠くなるほどの日数を、海の上で漂い続け、救助船に拾われるのを、ただ、ただ、待ち続けるんだ。

飢えとのどの渇き、しけや悪天候に怯えながらね。


海上を照らす太陽は灼熱地獄だったって親父が言ってたよ。


救助されなければ小船の上で餓死するだけさ。


実際、途中で死ぬ奴だっていたんだぜ。


母親は生後間もない俺を抱きかかえ、自分の命を削りながら母乳を与え続けたんだ。


もう、小船の上は正常なものの考え方では把握できないほど、緊迫した状況さ。


そう、これは実際にあった話だけど・・・・・・



俺たちが乗ったボートはもう半月近く太平洋の真ん中を漂流し続けたんだそうだ。


船上にいる人の空腹はもう、限界を超えていた。


死にかけた男がボートの上に乗っていた

だから、その男の肉を食べる事に決めたんだ。



他に選択は無かった。 

もう死んでしまう人間がいる

何かを胃袋に入れなければ、皆が死ぬ。



しばらくして俺たちの小船はアメリカのベトナム難民支援グループの船に拾われてこの地にたどり着いたんだ。


裸足で降り立ったアメリカ、親父やお袋が持っていたものはそのとき着ていたボロボロの服と、再び生きて大地を踏みしめる喜びだけ。


俺たちベトナム人はね、そんな境遇から這い上がって来たやつらばかりなんだよ。


だから皆がおざなりにしがちな、


        生きてる喜びや


              勤労の喜び

               
                  それで得られる幸福に満ちた生活に


                        決して感謝の気持ちを忘れない


            生きる事の奇跡を身にしみているからね。






棺の中にはもう一人、 壮絶な時代と戦った男が、今安らかに永遠の眠りにつこうとしていた。



                                 
スポンサーサイト
------------------------------------------------------------

テーマ=生きる - ジャンル=ライフ

【2008/07/21 13:20】   トラックバック(0) | コメント(2) | Top↑






<<PAPER PLANES / M・I・A | Top | 地球の授かりもの>>
コメント
KISSさん こんな話を親から聞かされながら生きてきた若者はどんな若者たちなのかな? ちょっとベトナム人に興味深深です。
【2008/07/24 01:20】 URL | [ 編集] | page top↑

============================================================

すごいお話ですね。
たまたま隣に座った人から、実際に赤ちゃんの自分と
両親が体験した、こんなにもすさまじい過去を聞くなんて、
日本では考えられないことです。
「生きていることが奇跡」・・・自分が今持っている不満や
悩みが、とてもちっぽけで恥ずかしく思えます。
【2008/07/21 23:57】 URL | kiss [ 編集] | page top↑

============================================================

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://coolcuts.blog6.fc2.com/tb.php/1459-862e284e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| Top |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。